「暑いから」で片付けていた夏バテ、実はもう一段深いところに原因があるかもしれません。朝からなんとなく食欲がわかない、ランチのあとに胃がもたれて午後の集中力が続かない、冷たいものばかり欲しくなるのに食事はあまり進まない——そんな状態が続いている方、少なくないのではないでしょうか。私自身も、薬局のカウンターに立ちながら「食欲がなくて」と相談される方が、この時期になると一気に増える実感があります。
夏バテの正体は「暑さ」より「胃腸の弱り」
夏バテというと、暑さで体力が消耗している状態をイメージしがちですが、実際にはその手前で「胃腸の働きが落ちている」ことが多くの不調の引き金になっています。胃腸は自律神経の影響を強く受ける臓器で、暑さそのものよりも「冷たいものの摂りすぎ」「冷房と外気の温度差」「発汗による消化液の分泌低下」といった間接的なストレスによって、消化吸収の力がじわじわ落ちていきます。食欲不振やだるさは、体からの「今、消化に回すエネルギーが足りていません」というサインと捉えると、対処の仕方も見えてきます。

食欲不振・胃もたれを招く3つの原因
① 冷たいものの摂りすぎによる胃腸の冷え
アイスコーヒーや冷たい麺類、キンキンに冷えた飲み物を続けて摂っていると、胃腸そのものが冷えて血流が落ち、消化酵素の働きも鈍くなります。「冷たいものを飲んだ直後は楽なのに、少し経つとかえって胃が重い」と感じる方は、この冷えの積み重ねが原因になっているケースが多いです。
② 発汗による水分・ミネラルバランスの乱れ
汗を大量にかくと水分だけでなく、消化液の材料となるミネラルも一緒に失われます。水分だけをこまめに補給していても、ミネラルバランスが崩れたままだと消化液の分泌が十分に行われず、食べたものがうまく消化されない状態が続いてしまいます。
③ 冷房と外気の温度差による自律神経の乱れ
屋外の暑さと屋内の冷房、この寒暖差を1日に何度も行き来していると、体温調節を担う自律神経が疲弊します。自律神経は胃腸の動き(蠕動運動)もコントロールしているため、ここが乱れると胃もたれや便通の不調といった形で表れやすくなります。

ハーブで胃腸をやさしく整える、薬剤師からの提案
胃腸の働きをサポートする方法として、昔からハーブが活用されてきました。なかでもペパーミントは、胃腸の緊張をゆるめる働きが知られており、食後の張った感じが気になるときに好んで使われるハーブのひとつです。レモングラスは消化を助ける働きが期待されるハーブで、さっぱりとした香りが食欲が落ちているときでも口にしやすいのが特徴です。どちらもノンカフェインのハーブティーとして手に入りやすく、食後や気分をリセットしたいタイミングで取り入れやすいのもポイントです。
ハーブティーとして飲む以外にも、精油の香りを楽しむという方法もあります。ペパーミントの香りを軽く吸入すると、気分がすっきりして食欲が落ちているときの重だるさが和らぐと感じる方も多いようです。ただし、ハーブや精油はあくまで「胃腸が働きやすい環境を整えるサポート」であり、症状を治療するものではありません。吐き気や腹痛が強い、体重減少を伴う食欲不振が続くといった場合は、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関を受診するようにしてください。
今日からできる、胃腸をいたわる具体アクション
- 冷たい飲み物は「氷なし」か常温に切り替え、1日1杯は温かいハーブティーを取り入れる
- 食後にペパーミント×レモングラスのハーブティーをゆっくり飲む時間をつくる
- 冷房の効いた室内では、ひざ掛けや腹巻きでお腹まわりを冷やさないようにする
- 寝る前にペパーミントの精油を1〜2滴、ティッシュやディフューザーで軽く香らせてみる
特別なことをする必要はなく、「冷やしすぎない」「消化の負担を減らす」という2つの視点を、普段の飲み物や過ごし方に少しずつ足していくだけで十分です。まずは今日の一杯を、冷たい飲み物からハーブティーに変えてみることから始めてみてください。
胃腸ケアにおすすめのハーブティー
ペパーミントとレモングラスを自分でブレンドするのが難しい場合は、すでに配合されたブレンドティーを選ぶと手軽に続けられます。国産ハーブを使ったティーバッグタイプなら、オフィスでもお湯を注ぐだけで手軽に取り入れられます。
国産の農薬不使用ハーブを使ったペパーミント×レモングラスのブレンドティー。ノンカフェインなので時間を気にせず飲め、ティーバッグタイプで職場でも手軽に淹れられます。夏バテで食欲が落ちがちな時期の一杯にぴったりです。
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まとめ
夏バテによる食欲不振や胃もたれは、「暑さのせい」というより「冷え」「ミネラル不足」「自律神経の乱れ」によって胃腸が働きにくくなっているサインです。冷たいものを控えめにし、ペパーミントやレモングラスのハーブティーで胃腸をやさしくいたわる習慣を、今日からの飲み物選びに取り入れてみてください。症状が長引く場合や体重減少を伴う場合は、無理をせず医療機関に相談することも忘れないでくださいね。
冷房による自律神経の疲れが気になる方は夏バテ対策に。冷房疲れを整える水出しハーブティー習慣、他のハーブティーも試してみたい方はアイスで飲めるハーブティーおすすめ7選|夏の水分補給にもあわせてご覧ください。呼吸から自律神経を整えたい方はストレスで浅くなる呼吸を、香りで整える深呼吸習慣も参考になります。
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